FS事業(事業化可能性の調査)

ロボット未活用領域プロジェクト 事例

ロボット未活用領域への導入支援、
及び実機等を活用した有償でのロボットF/Sのビジネス慣行の醸成を目的とし、
生産性向上に取り組む中小企業を対象に実施しました。

製造業/機械

実施概要

支援先中小企業のニーズ・課題

有限会社泰洋電機は、和歌山県南部のみなべ町において電気設備工事、各種機械装置製作を行っている会社である。現地特産の梅加工工場などを顧客に持ち、公共工事始め幅広く事業を展開している。昨年度の「地域中核企業ローカルイノベーション支援事業」においては、食品加工工場での自動化について協力をいただいており、今後、ロボットSIerとして活躍すべくさまざまな取り組みを行っている。

食品、特に飲料メーカでは、材料投入後はインラインで調合、加工などが自動で行われて人手がかからないが、最初の工程である、原料タンクへの材料投入は人手に頼らざるを得ない状況になっている。また、この作業は原料が重いことや、作業場所が狭小であることから重労働となっていてその作業負荷軽減が期待されている。

今回、特に原料袋の外袋と内袋を分離する作業、すなわち、紙製の外袋の中にビニール製の内袋が入っており、その内袋の中に原料が入っている原料袋において、材料投入前に外袋を外してビニール製の内袋だけの状態にして一旦保管するという作業である。特に海外製の原料(脱脂粉乳)は、内袋が外袋の表裏両面に接着されており、人力で原料袋を反転させ、接着箇所を引きはがし内袋を取り出している。また、間に虫などがいることがあるので、都度清掃しながらの作業となり、非常に手間がかかっている。

原料袋の内袋の様子

課題の解決方法

この課題を解決するために、原料袋の反転作業と分離した内袋を次工程に移送する作業を軽減するための装置「反転・傾斜機能付き内袋取出し装置」を考案した。
本装置が材料投入の現場で活用できれば、作業者の負担軽減、作業効率の向上が見込まれる。

FS実施内容

考案した原料袋の反転作業と分離した内袋を次工程に移送する作業を軽減するための装置「反転・傾斜機能付き内袋取出し装置」を設計・製作し、実際の作業を模した試行を実施した。

(1)作業調査
近畿経済産業局の「地域イノベーション支援事業」でも自動化支援コンサルティングを行う企業を訪問し、大手飲料メーカにおける原料袋解体の現場の様子や課題をヒアリングした。

外袋(紙)と内袋(ビニール)は接着されており、はがれにくいので、その分離作業を軽減したいとのことであった。原料袋は最大20kg前後ほどの重量物であり、解体の際に反転作業も必要になるので重労働となる。また、その作業場所は狭く大型の装置は設置できないなどの制約があることもわかった。

(2)装置の構想設計
原料袋の解体作業の作業負荷軽減のために以下のような全体構想を行った。内袋を取出し自重でコンベアへ渡す傾斜機構と一連の移送装置である。

全体構想図

(3)装置の製作
構想設計した全体装置の内、最も重要な部分である、傾斜機構の部分について実際に設計・製作をすることにした。装置は「反転・傾斜機能付き内袋取出し装置」と呼ぶことにした。 傾斜機構は、人力で行っていた原料袋の反転・移送作業をエアシリンダで代替させることで作業負荷を軽減させることができるように考慮した。具体的には、片側を蝶番で固定した作業トレイの反対側をエアシリンダで持ち上げ、垂直近くまでトレイに角度をつけることで、トレイに載せた原料袋が隣のトレイに反転して移動する機構を設けた。また、分離させた内袋を次工程に移送させるため、エアシリンダで作業トレイ全体に角度を付けることで内袋が滑って移動する機構を設けた。

(4)実験
製作した装置を使ってビニール袋入りの18kg砂袋を外袋に見立てた紙袋の中に入れて、反転機構のテスト、中袋の取出しテストを実施した。

得られた知見・成果ならびに事業化への課題

今回のFSでは、食品工場における前工程である原料袋の解体作業の作業負荷軽減のための装置の全体構想を行い、その重要部分である傾斜機構を実際に設計・製作して実験を行った。エアシリンダを用いた反転機構や傾斜機構のおかげでその作業は極めて軽くなることが分かった。
本装置を使用することで、労働基準法に定められた継続作業における重量の制限を受けないため、女性や年少者でも継続作業が可能となる。また作業者の身体的負担が軽減されることで他業務のパフォーマンスも向上し、結果として業務全体の効率アップに貢献することが予想される。
事業化への課題として、ユーザーにとって使い勝手のよい装置とするため、カスタマイズやオプションの追加が必要と思われた。

FS実施後の状況、今後の展望

今後の展望として、現在人手に頼っている原料タンクへの原料投入工程を、本装置を含めた自動化ラインとして提案できるようにしたいと思っている。
例えば、次のような工程を経ることによって原料投入工程の自動化を実現する。
①ロボット、バランサー等で原料袋を本装置に載せる。
②本装置で原料袋から内袋を取り出す。
③エアブローやUV殺菌装置で内袋外面の付着した異物や雑菌の除去
④内袋の開封、原料の投入、空袋回収装置

多くの飲料、調味料等の加工工場では必ずこの原材料投入作業は存在するため、本成果によって業界での横展開も期待することができる。

SIerとしてFS実施後の事業展開

食品工場でも特に飲料や調味料などの液体製品を扱う工程では必ずこの原料投入作業が存在し、大手メーカであっても人手に頼っているのが実情である。また、場所の制約から大型の自動化機械を入れることが困難なことが多く、今回のFSの成果のような人の作業を軽減して、なおかつシンプルな補助装置のようなものは導入されやすいのではないかと思われる。
 まずは、このような補助装置のような製品を実現化し、その後、協力企業からの助言をいただきながら、泰洋電機とともに開発を進めて飲料業界での横展開を実現したい。

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