FS事業(事業化可能性の調査)
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コミュニケーション/サービス業/飲食
実施概要
支援先中小企業のニーズ・課題
【売上が一時4分の1に!】
コロナ禍で、新規の外国人旅行客は誰一人来なくなってしまった。京都は観光都市として今後も伸びていくと信じており、メイドカフェの文化も外国人の来店とともに大きく拡大していくと考えていた。
インバウンド客数は、2019年では3200万人に達して2020年は4,000万人になるとの政府の想定があり、心配していなかったし、関西で見れば、大阪のIR期待や万博、マスターズといったスポーツの祭典でこれからも観光産業は伸びていくと信じて疑っていなかった。
ここまでのダメージを受けたインバウンドの回復は、相当な年月を要すると考えられる。そこから新たな収益源と話題性による広報による集客効果が得られることを模索する。
課題の解決方法
企画型飲食店なので、企画型と飲食店の各部を切り離し、企画型の部分、つまりメイドさんとの交流の部分をリアルタイムオンライン有料で提供することで新たな収益源を模索することとした。
2020年5月頃に、企画型をリアルタイムオンラインで実現するメイドさんとの対面の仕組みを入れてみたが、そこで収益を上げることが出来なかった。
5月プレスリリースした際には、日本人1日あたり1,800名が、その話題について話すなど話題性はあったが、話題先行で実際には繋ぐ人が少なかったからである。
遠隔で繋いでくれる人を一定量確保できるということは、それに価値を感じる人が多くいるということで、コンテンツ次第で収益化が可能になると考えている。
そこで繋ぐ人が少ない理由を考えてみると、これまで京都という地で外国人観光客向けに売ってきたコンテンツの弱さ(東京秋葉原の激戦区のメイドカフェでは、競合店が多い事に比較して)と、若い女性と目的なく対面する気恥ずかしさ、用もないのに繋ぐのは申し訳ないと遠慮する3つの理由がヒアリングで得られた。
しかしコンテンツの弱さの改善という点では、メイドさんの格好で給仕をしてくれる女性(服装に似合うといった観点で若く、話が出来るなど)は、コロナ禍においても変わらず極めて少ない中でメイドさんのレベルを上げることは今の店舗にとって難しい。
「対面する気恥ずかしさ、用もないのに」の理由に対しては、気恥ずかしさを乗り越える用事、つまり顧客候補にオンラインで接続する意味や理由を創る必要があると考えた。
そこで商品が当たるという明確な意味とメリットを打ち出し、リアルタイムオンラインでロボットを経由した抽選機を回せるようにすることで、新たな企画(=エンターテイメント)提供による接続者の確保による収益源の模索と、より高い話題性による集客効果を目指すこととした。
大きなチェーン店舗等の飲食店を除く、飲食店の従業員のITリテラシーは非常に低く、出来るだけ人手をかけない(=人件費をかけない)簡便なものを提供する必要があり、それをクリアするレベルで提供する。
飲食店従業員やアルバイト高校生でも簡単に使えるオンライン対面システムと遠隔操作スイッチ装置を使って、メイドさんと遠隔でクレーンゲームをするゲームアプリ組み合わせた仕組みを実現するものである。
FS実施内容
飲食店従業員やアルバイト高校生でも簡単に使える、数クリックで繋がるオンライン対面システムの構築※1(MARUIKOというロボットやタブレットで動作が可能なもの)、WEBブラウザ上から数クリックで繋がる仕組み※2とそこから遠隔操作可能なスイッチ装置を使って抽選機を回せる仕組み※3を提供し、そこから新たな収益源や広報による集客効果を模索した。
日本人向けと外国人向けの両方を模索するために、日本人と外国人にテストとアンケートを実施し、そこから商品化の目途や話題性の後方に繋ぐための材料とすることにして実施した。
予想していなかった使い方として、遠隔抽選機が、既存来店客の非接触メニューの一つとして、既存客の単価アップも出来る可能性がある旨をオーナーからヒアリングができている。
(イメージとしては以前、喫茶店の各テーブルに置いてあった100円の簡易占いボックスのようなものである。当たる商品の良さ、またはメイドさんのお願いの声があれば、断り切れずに引く客も多いだろうと想像に難くない。)
得られた知見・成果ならびに事業化への課題
オンライン対面システムの飲食店関係者の対応については、システム導入時によくある使い勝手が悪いや面倒であるという声は0件で、予想以上に負荷は無い様であった。テレビ会議ソフトなどであるとログインをする必要があるなどITリテラシーが低い業界などだと使える人が限られてしまうが、常時繋ぎっぱなしで遠隔地の接続者が良いときに繋ぐ方式は、簡単だったようである。
ただし気付かない時があるとのことで、電話のようになる方式ができると良いということであった。
また抽選機に関しては、玉の補充が予想以上に面倒であったため、それに反応をしないといけないことについては少し負荷であった。
店舗オーナーからは景品表示法上の問題があるのではないかとのことで、将来的なサービス提供についてはローチェックが必要である事が確認できた。
遠隔接続者には日本人向けにテスト協力者を募り5名のテストを実施した。
日本人にとって、抽選機(ガラガラ・福引機)には慣れているので、説明が無く遠隔で楽しむことができたようであった。
希望の商品はゲーム機が8割と、出せる金額は500円が50%を占めた。その結果から露店の的屋のイメージを感じた。
単体では100円~500円なら出せるものの、Uber Eatsとの連動であれば、無料なら使うが40%、商品が高価な場合に使うが40%と意見が分かれた。しかし無料で商品がある程度望まれるなら80%は使うということである。
海外向けにはテスト協力者を3名確保(日本在住のインド人、オーストラリア在住のベトナム人(コロナ禍でベトナムのダナンに帰郷中)、ハノイのベトナム人)し確認した。
日本在住のインド人以外は、当初抽選機の操作方法が伝わりにくかったようで、実施に通常の5倍ぐらいの時間がかかった。それは抽選機を回すということが日本の独自文化であったことにその時点でようやく気付くことが出来た。仕組みとして、自分の手で回すので、自分で選んだという感覚の演出であろうと考えられるが、ベトナムでは形状が異なるようで理解が難しかったようではある。
体験協力いただいたベトナム人の学生2名では通貨差もあるので単価は100円程度ぐらいであった。日本にいるインド人は300円ということであったが、日本の物価で暮らしているので、それぐらいかもしれない。
ここで得られたのは、通貨差という考えである。そもそも円で組み立てたアンケートも悪かったが、ベトナムの例にあるように通貨レートが日本と大きく差がある国では、少額しか取れないと考えている。
そういった意味では、欧米諸国向けに広告するのであれば、大きく通貨差はなく、日本の文化として楽しめる国、例えばフランス向けなどのテストを行ってみたい。
インド人からは、インドではメイドがいる家庭も多く、イメージが家政婦の事だと教わったので、中年女性の家政婦が抽選を手伝うサービスと誤解されないようにする必要があると考えられる。
FS実施後の状況、今後の展望
今後、飲食店としては、Uber等の配達型での提供を予定している。その中で、自宅に届いたメイドカフェの食べ物と共に、遠隔でメイドさんと交流できる入口となるQRコード付きのカードを付けるなどして、宅配注文客が食べる際にオンラインで呼び出してもらい、従来の店舗に近づけたエンターテイメントを提供しようとしている。
Uber等の配達で届けられる食べ物の評価は現状では盛り付けと味だけである。正直、味の勝負では周辺の本格的な飲食店と渡り合えない可能性が高い。そこで味や盛り付けで勝負せずに、これまで他店では無い、オンライン対面装置で提供できるエンターテイメント性を売りにする考えである。
その実現に今後も継続して協力関係を保ち進めていく。
アタリ/ハズレを付けた抽選機についても、店舗とお客を繋ぐ目的の一つとなれば、他店との差別化が図れ、そのアタリ/ハズレの内容次第ではあるが、定期的な接続常連客※になってもらえることで売上向上に繋がると考えている。
※ここで表現する常連客・・・定期的な遠隔抽選機を楽しめるとして、例えば1回1,000円として抽選する、当たる商品に満足がある、または当たらなくても再び継続してみようという方。
宅配で頼んだ宅配注文客が食べる際に、オンライン遠隔抽選機で遊んでもらうと同時にメイドさん呼び出してもらうことを楽しいと考える宅配常連客。
他アイデアとしては、メイドさんのカードを宅配物品に添付しデリバリー5回の注文をカード枚数等でオンライン対面にて判別することで、5注文で1回抽選、商品は例えばゲーム機が当たるなどすれば、ただ飲食物が届く他店と明確な差別化が出来る。
そういったエンターテイメント性を売りにしてこそ、企画型飲食店の本領発揮が出来ると考えている。
エンターテインメント用途以外に、宅配顧客に届いた商品のクレームにたいするサポート窓口としても機能できる。ケチャップで猫の絵を描いたオムライスが崩れていたとして、早々に現物を見て対処できるとしたら、クレームサポート用に必要なシステムとして定着する可能性もある。
SIerとしてFS実施後の事業展開
数クリックで繋がるオンライン対面システムは、飲食店従業員やアルバイト高校生でも簡単に使えるため、メイドさんというエンターテイメントの用途以外にも、士業等の専門家の能力を売りたい人に向けて販売が可能と考えている。
抽選機を回すのに使った、遠隔操作スイッチは、共有ルームのドアの開閉や農業における水門の開閉、遠隔プレゼンにおけるページめくりなど応用範囲は幅広く、テレビ会議ソフトにはできない、現実に影響を及ぼすことができる仕組みとして、オンライン対面システムと組み合わせて販売することも可能である。
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