FS事業(事業化可能性の調査)

コミュニケーション/サービス業/介護・福祉

実施概要

支援先中小企業のニーズ・課題

①ユーザー企業の対象事業:BCC株式会社が高石市より委託し運営する「高石健幸リビング・ラボ」業務

②具体的内容
BCC株式会社が高石市より委託し運営する「高石健幸リビング・ラボ」では、市域に居住するシニアを対象として健康増進、フレイル予防につながる取り組みをおこなっています。具体的には、健康ダンスや手芸などのプログラムを提供しています。
*「高石健幸リビング・ラボ」とは
高石健幸リビング・ラボは高石市が中心となり設立した高石市健幸のまちづくり協議会が運営する市民のニーズや市の行政課題に合致した商品・サービス開発を民間事業者と市民が一体となって行うとともに、ヘルスケア産業の育成を図る拠点です。高石市健幸のまちづくり協議会は、市民、民間企業、関連団体や学術団体などが一体となって、知恵を出しあい、健幸で長生きできるまちづくりを進めて行くための協議の場として、高石市健幸のまちづくり条例に基づき設立されました。

③具体的な課題とニーズ
地域のシニアを対象とした健康ダンスや手芸などのプログラムの提供について、下記の課題とニーズがあります。
〇持続性ある活動体制構築
対象事業でおこなう活動は、「高石健幸リビング・ラボ」の運営委託費から費用を支出し実施しています。主には講師の費用を支出していますが、予算の都合もあり活動を提供する回数が限られており、持続的に開催をおこなうことが困難な状況です。そのため持続性ある活動体制の構築が課題です。
〇在宅で介護が必要な方へのサポートの必要性
対象事業は、地域の公民館等で開催しています。その為、参加される方はある程度、元気で自ら歩きや自転車で会場まで来られる方が対象となります。しかし、提供するプログラムは本来、外出が困難であったりする在宅で介護が必要な方も対象として提供しています。

課題の解決方法

本事業では、上記の課題とニーズに対して、地域に居住するシニアを対象として、ボランティアがフレイル予防につながるプログラムをコミュニケーションロボットが提供しました。
その結果
a.ボランティア人材を活用することで予算不足による問題を解消
b.ロボットを活用したレクリエーションを提供することで、在宅の要介護者へのサポートの可能性を拡大すること目指しました。概要は次のとおり。

①対象者:地域に居住するシニア(65歳以上の男女)

②概要:ユカイ工学株式会社が開発販売するコミュニケーションロボット「BOCCO」を活用し、高齢者のQOL(Quality Of Life 生活の質)の向上を目的とした「コミュニケーションサービス」の検証をおこないました。

③本取組みのポイント
“1.ユーザー企業のニーズ、課題”で記載したニーズ、課題に下記のとおり貢献します。
・健康増進に携わる人材の育成
近年、健康増進の重要性が提唱されており、自治体においてもシニアなど要支援・要介護状態にならないための予防や、維持・改善に関する取り組みは各地域においても積極的におこなわれています。しかし、多くの市民が積極的に地域コミュニティーの形成に参画する機会が多いとは言えない状況です。こうした課題の解決の手段として、本事業ではボランティア育成を介して、主婦やアクティブシニアなどボランティアを育成し、活動する場の提供をおこなっていきます。
・独自の育成プログラム
本事業では、BCC株式会社が提供するレクリエーション介護士のプログラムをベースとして、地域でロボットを活用しボランティア人材として活躍する独自の教育プログラムを提供します。Iotの知識が無い方でも一定のレベルでオペレーターとして活動いただけます。
・コミュニケーションロボットによりいつでもどこでも
操作性の簡易なコミュニケーションロボットを活用し自宅で手軽にプログラムに参加できます。
【参考①:BOCCOとは】
インターネット経由でスマホと音声メッセージのやりとり、「BOCCO」側から送った声の文字化、スマホから送った文字メッセージの「BOCCO」による読み上げができます。
【参考②:介護レクリエーションとは】
本来、レクリエーションとは、「日々の生活の中に生きる喜びと楽しみを見出していく様々な活動のこと」である。近年、様々な介護事業所で、レクリエーションの重要性が浸透し、その活動に力を入れられている施設が多くみられます。この介護事業所でおこなうレクリエーション活動のことを「介護レクリエーション」という。介護の必要性の有無にかかわらず、高齢者の生活をより豊かにし、生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)を高めることが目標とされている。例えば、歌や体操などの集団レクリエーションや個人の趣味など。

FS実施内容

①実施フィールド:高石市内

②具体的内容:
モニタとして募集したボランティア人材が、コミュニケーションロボットの対話機能を活用し、文字データの入力により対話を利用するシニアとおこないました。単純な対話だけでなく、介護レクリエーションプログラムを盛り込んで認知機能の向上などフレイル予防につながるプログラム形式で提供しました。ボランティア人材については、ツールの活用方法やシニアとのコミュニケーションの取り方など学ぶ講座(1日)を受講いただきました。

③提供した介護レクリエーションプログラム
BCC株式会社のレクリエーション介護士が、「BOCCO」向け介護レクリエーションプログラムを開発、監修しました。プログラムは30分程度。
・認知機能向上につながるクイズレクリエーション:クイズやなぞなぞ など問題を提供し、シニアが回答する。マルチタスクなど盛り込むことで認知機能の向上につながる。
・今日は何の日?レクリエーション:今日が何の日か、有名人の誕生日、歴史的事象がおこなったなど問い合わせ形式で対話を楽しむ 介護レクリエーションプログラムの参加は30名程度でした。

④ボランティア人材の育成
本事業で活動するボランティア人材として地域住民を対象として育成プログラムを提供します。育成プログラムでは、BOCCOの操作やコミュニケーションロボットまた、育成後の資格を活かして地域で介護レクリエーションプログラムを提供する活躍の場を提供しました。育成プログラムは当社が提供するレクリエーション介護士を想定しています。参加人数は10名程度でした。

得られた知見・成果ならびに事業化への課題

〇サマリ

•得られた知見・成果

実証実験では、高齢者の方が参加する介護レクリエーションコンテンツを開発しました。高齢者の方が日々、飽きないような当社が提供する資格制度「レクリェーション介護士」がコンテンツ開発に協力しました。日々のやり取りに飽きがこないように季節やその世代が興味を持つテーマを設定し、複数コンテンツを日々、変更しながら利用者に提供するなどしました。

BOCCOとのコミュニケーションについて、ロボットの操作者である地域ボランティア人材を活用しました。この取組みを通し、BOCCOを通じて、作成したシナリオでコミュニケーションを取るなどある程度、スキルが無くても運営できる体制を構築した。またスキルが無くてもと申したが、一定のレベルであることが求められることから、地域の方にレクリェーション介護士の講座を提供し、介護レクリエーションの学びをおこなった人材を中心に依頼した。

•モニタ参加者からの意見の要点(アンケート結果のサマリ)

集団レク(n=27)
・参加者の7割が楽しかった、かつ、また参加したいと回答
・ファシリテーターも同様に満足度が高かった

在宅レク(n=3)
・参加者の6割が楽しかった、かつ、また参加したいと回答
・ファシリテーターも同様に満足度が高かった

•テスト実施を経て見えてきた課題

モニタからはおおむね好評だったが、いくつか課題が見えてきた。
BOCCOの利用者である高齢者の自宅にWi-Fi環境が無い場合があったので、ポケットWi-Fiルーターを貸し出すなど、コミュニケーションロボットの動作環境を構築した。事業化の際にはインターネットなどインフラ提供も含めて販売を検討する必要がある。
BOCCOの利用者である高齢者の自宅にWi-Fi環境が無い場合があったので、ポケットWi-Fiルーターを貸し出すなど、コミュニケーションロボットの動作環境を構築した。事業化の際にはインターネットなどインフラ提供も含めて販売を検討する必要がある。

FS実施後の状況、今後の展望

・参加したモニタからは好評だったため、BCC社と協力して、実際に事業として立ち上げて、運用するためのスキームやビジネスモデルを含め、検討を継続する。

SIerとしてFS実施後の事業展開

・特になし(当初の計画通り、BCC社との協業スキームを整理する)

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