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【インタビュー】ヒト・モノ・情報の移動ソリューション実用化プロジェクト「ROBOLUTION」
会員紹介2021.03.09
近年話題になっている「モビリティ(=移動)」の先端を走る株式会社ロボリューション。
2020年の秋にはATC(アジア太平洋トレードセンター)にショールームを構えるなど、ますます活動が活発化しています。
今回は、その代表である小西さんに「ROBOLUTIONプロジェクト」の概要や今後についてのお話についてお伺いしました。
ROBOLUTIONプロジェクトの活動について教えてください。
●このプロジェクトの目的は、「モノ・人・情報の円滑な移動」をキーワードに、次世代に向けた「新しい移動ソリューションビジネスを創りだすこと」です。
具体的に言うと、「自律走行誘導ロボット」「荷物運搬型モビリティ」「人搭乗型モビリティ」といった3機種を複数台連結した自動運搬システムを使って、企業課題や、その場所が持つ課題を解決したり、新しいニーズを生み出したりします。
●「人手不足の解消」や「インバウンド需要でマルチリンガル人材が求められる場所」とされる空港やショッピングモールなどでの活用提案を積極的に行っています。
小型の人搭乗型追従モビリティ:ROBOLUTION 01Gは、協業するシンガポールDoog社により、シンガポールのチャンギ空港に20台程が導入・運用されています。
*「ROBOLUTION 01G」は、協業しているDoog社のガルーをベースとしたロボリューションによるカスタマイズ機器の名称です。
また、新型コロナウイルスによる生活様式の変化により、移動時のソーシャルディスタンスをキープしつつ、人との接触機会を減らせる面でも、注目を集めています。
●最近では「高齢者向けのサービスに活用できないか」とご相談いただくこともあります。
某大手家具店では、安全性確保の観点から、電動の車いすの貸し出しはしておらず、女性スタッフが、車いすに乗ったお客様を後ろから押して、店内を案内するといたオペレーションがあるとのこと。
力の要る作業であることに加えて、お客様へ後ろからしか接客することができないため、表情を見ながら提案ができない点が課題でした。
「ROBOLUTION 01G」を使えば、スタッフがお客様の正面に立ってお客様の様子を伺いながら接客ができるため、購買チャンスを逃さずかつ、ついで買いなどのアクションも期待できると言われています。
ROBOLUTIONプロジェクトは、今後どのように成長・展開していくのでしょうか?
●所有権ではなく「使用権」を販売するビジネスモデルに成長させたい
ROBOLUTIONのショールームを見てもらうと、まるで車のディーラーのような感じがするでしょう? ロボットがずらりと並んでいて、さあ、どのロボットを選ぼうかな…なんて思われる方もいるかもしれません。
でも違うんです。
私が本当にやりたいのは、車のように「購入して所有する」ことではなく、ロボットを「使用する」ことに対価が発生するビジネスモデルに発展させていきたいと考えています。
ロボット製造⇒販売という流れがサービスロボットのビジネスモデルとして一般的ですよね。
本プロジェクトでは、ロボットの「製造⇒販売」という所有権を売るビジネスモデルではなく、所有権は、ロボリューションが保持したままで、お客様が使用した分だけ支払う「使用権」を販売する仕組みを構築したいと考えています。
上記の某大型家具店でも、「土日の夕方だけ貸してもらえるとありがたい。」というコメントも頂いています。
今後の成長に欠かせない「付加機能」とは?
●「移動ソリューション」と「既存のサービス」を掛け合わせるイメージです。
今お話したビジネスモデルの確立に向けて欠かせないのが、「付加機能」の展開になります。
これをどう展開していくかが、このプロジェクトの醍醐味でもあり、一番根幹の部分だと思っています。
付加機能の多くは、既にあるサービスです。これに「移動」という手段を加えることで、ビジネスとしての広がりが期待できると考えています。
「ROBOLUTION 02」では、側面にサイネージ用に4Kモニタ画面を搭載しています。
荷物を運びながら、サイネージを活用した広告宣伝ができれば新たな価値創造が可能ではと考えています。
例えば、サイネージを搭載した「ROBOLUTION 02」がATC2階のメインフロアを契約時間内、移動する。その移動中に流すサイネージの映像はATCの6階にある店舗の紹介だったりする。音楽を鳴らして、「画面に表示されているQRコードを読み取ると、今すぐ使えるクーポンが発行される」といった付加機能を追加する。そうすることで、従来の広告より高い価値と効果が期待できるんじゃないかと考えています。
しかも、ATCに入っている店舗の数だけ同じサービスが展開できる。
ATCでは実証実験もできるし、大型のショッピングセンターの事例を作るには、絶好の場所ですね。
ここで、事例を作って横展開していきたいと考えています。
上手くいけば、万博で運用したいという野望もあります。笑
最後に。メッセージをお願いします。
●試乗体験してもらうことが、このプロジェクトのスタートです!
よく、モビリティロボットに乗った方から、「この感覚を乗ったことがない人に説明するのが難しい」という声をいただきます。そうなんです。なかなかこういったものは従来にはないので、比較体験ができないですし、乗った感覚を言語化するのは難しいんです。
また、現時点で気になっていても、具体的にビジネスのイメージが湧かないので次の一歩が出ないという企業様もいらっしゃいます。
でも、そういった方にもまずは「試乗しに来てください」と言っています。(無料ですし笑)
乗った人にしかこの感覚は伝わらないですし、体験して初めて見えてくるものもあります。まずは試乗していただくことがこのプロジェクトのスタートなんです。
ぜひ、ATC3階でお待ちしています。