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vol.15〜あぁ!もふもふしたい!〜この気持ちを、ペットロボットは埋めてくれるの?〜

読んでフムフム・見てフムフム2022.01.31

フムフム15アイキャッチ

2年ぶりの、実家の愛犬

皆さま、明けましておめでとうございます。
今年も、iRooBOならびに「読んでフムフム見てフムフム」を、よろしくお願いいたします。

さて、もう1月も下旬なのでお正月気分もすっかり抜けていると思いますが、ゆっくり休めましたでしょうか。私は2年ぶりの実家での、両親と犬の花子との年越しでした。
柴犬の花子は今年11歳になるので、人間で言うと60歳くらい。両親も70代なので、実家では、ゆるりと時間が流れていきます。みんななんとなくコタツのある部屋に集まり、テレビを見ながらお酒を飲むという、日本の年越しっぽい年越しでした。そして常に、花子が隣にいました。

今回は、そんな花子とペットロボットについてフムフムします。

「ペットロボット」という選択肢

ペットロボットイメージ

花子はもともと庭の犬小屋で暮らしており、どちらかというと我が道を行くタイプで、1人で遊びたいときは声をかけてもそっけない態度をとるワンコでした。でも一昨年の夏に、花子を可愛がっていた祖母が急に亡くなった時から、常に誰かの後ろをついてくるようになりました。花子なりに、寂しくて不安だったんだと思います。庭の長椅子に並んで日向ぼっこをしていた祖母と花子の姿は、思い出すと今でも泣きたくなるような温かい光景でした。
今は、家の中におうちを作ってもらい、基本的にずっと母のそばにいます。私が実家に帰った時には、ひたすら花子と戯れながら、もふもふと幸せな時を過ごします。
私はマンション住まいなのでペットが飼えないのですが、実家から戻ると、ワンコを飼いたい欲が高まります。あのもふもふを、日常的に味わいたい・・・。でも、毎日仕事で帰りが遅いし、自分のエゴだけで生き物をきちんと飼う自信もないので、我慢するわけです。

では、この「ワンコ飼いたい欲」を、ペットロボットで埋められるのでしょうか。

多様化する「ペットロボット」

そもそも「ペット」ってなんだっけ、と思って調べると「愛玩動物」なんですね。1985年頃からは、長い間一緒に暮らしてきた動物について、「companion animal」、「伴侶動物」という言葉が使われ始めたそうです。ペットは家族も同然、ということですね。
そんな時にたまたま、難波の高島屋に買い物に行きました。高島屋には、コミュニケーションロボットなどが展示販売されている「ロボティクススタジオ」があります。前を通りかかると、子どもたちが集まっていて、何を見ているのかなと覗いてみると、「LOVOT」の体験をしていました。上目遣いでかわいらしく見上げてくるLOVOTを、抱きしめてかわいがる子どもたち。これもまた、心温まる光景でした。

私のようにマンション住まいだからといった住宅事情だけでなく、動物アレルギーや高齢で世話ができないといった理由で、ペットを飼いたくても飼えない人はたくさんいます。
そして、アザラシ型ロボット「パロ」のように、セラピー効果が実証され、介護・医療業界で活躍するロボットもおり、アニマルセラピーならぬロボットセラピーが期待できるとなれば、ペットロボットの存在は更に重要となりそうです。

セラピーロボット_パロ

また、「ペットロボット」と一口に言っても、LOVOTやaiboのように最先端テクノロジーが搭載され、学習機能で個性を得たり成長したりするものもあれば、もっと安価でふわふわした感触が楽しめるもの、リアルな外見をしたもの、簡単なコミュニケーションができるものなど、値段も機能も様々です。そのため、ペットロボットに何を求めるのかを考えた上で目的にあったものを購入できるのも、良い点ですね。

「役割がない」という愛おしさ

では、ペットロボットを購入することで、私の「ワンコ飼いたい欲」は収まるのか。

・・・否。というのもすでに、私の家には「Qoobo」という、もふもふしたしっぽのロボットがいるのだけれど、やはり花子の代わりにはなっていません。それはなぜか?

やっぱり、「生きていない」と思うから、でしょうか。一つの命として生きているからこその温もりや、気持ちが通じ合ったと感じる瞬間、そして時には思うようにいかない反抗的な態度など、上でもなく下でもない家族のような関係性は、ペットロボットでは叶わない。
そして何よりも、歳をとっていく。花子がこんなに寂しがり屋になったのは、祖母が亡くなったことも大きいけれど、年のせいもあるかもしれない。昔のやんちゃな花子もかわいかったけれど、今の、ぴったりとくっついてきて穏やかにしている花子もそれはそれは愛しくて、全く飽きないのです。

今、ワンコも長生きするようになり、老犬の介護問題が発生しています。多くの場合、自分より先に死んでしまうペットの老後の世話をし、看取る、というのは、かなりの覚悟と労力が必要となります。しかし、ゆるゆると年老いて命を全うする姿を見守るのは、怖いけれど、尊くもあります。
・・・と、偉そうなことを言いつつ、私も先代のワンコが死んでしまった時は、しばらく立ち直れなかったのですが・・・。

願わくは、最後まで幸せでいてほしい。そのためには、できることをしよう。そんな気持ちを抱かせるのは、ペットならでは、なのではないでしょうか。ペットロボットはコミュニケーションや見守りなど、なんらかの役割を持っており、単なるペットとは別の存在としての価値があるのだと思います。

あぁ、もふもふしたい。

高島屋 ロボティクス スタジオ

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