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vol.13~ロボットやAIに欠かせない「声」に関すること。あれこれ考えてみた。〜

読んでフムフム・見てフムフム2021.11.26

フムフムサムネイルvol.13

昨今の声優ブームの影響!?「声」に着目した家電製品が登場!

私の子どもの頃の将来の夢は漫画家で、勉強そっちのけで漫画を読み漁りつつ、自分でも下手くそな漫画を描いては友だちに見せてきゃっきゃ言っておりました。そしてそのまま大人になり、今では漫画・アニメに加え、声優にもはまるという沼っぷりでございます。

昨今、声優ブームと言われ、バラエティ番組をはじめ様々な分野で声優さんが活躍されていますが、その中でも私が衝撃を受けたのが、シャープの「ヘルシオ」に緒方恵美さんの声が搭載されたことです。
いいですか、ヘルシオが、あの緒方恵美の声で喋るんですよ・・・!

解説しますと、「ヘルシオ」は、音声対話機能のあるシャープのオーブンレンジです。そして緒方恵美さんは、「幽☆遊☆白書」の蔵馬や、「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジ役などで有名な声優さんで、先日、「劇場版呪術廻戦0」の乙骨憂太役と発表されて界隈をざわつかせました。

・・・さぁ、この辺りでついてこれなくなった方もいらっしゃるかと思いますが、気にせずに進めます。

家電イメージ

今、多くの家電が喋りますよね。うちの洗濯機もスイッチを押すと、「綺麗に洗いますね!」と健気に言ってから洗濯を始めます。ちなみに確認してみると、シャープ製でした。

シャープは音声を活用した家電に力を入れており、好みに合った音声を選んで家電に設定できる「COCORO VOICE」というサービスを2021年10月に開始しています。緒方恵美さんの声で喋るヘルシオも、その一環で生まれたんですね。
シャープのHPでサンプル音声が聞けるのですが、もうこれが堪らんのですよ。
なんてことをしてくれるんだ、シャープ!オーブンレンジを買い換える予定はないのに、買ってしまいそうになるではないか・・・!

「人の声」と「AIの声」では、受け手のコミュニケーションが変わるかもしれない。

・・・さて、趣味に走りすぎて少々取り乱してしまいましたが、今回は、ロボット(スマート家電やデバイス、アバターを含む)の声について少し考えてみたいと思います。

すでにスマホやスマートスピーカで、AlexaやSiriを活用している人も多いと思います。
AlexaやSiriの声は、優しく頼りがいのありそうな合成音声(モデルにした声優さんがいるという話もありますが)、という感じでしょうか。Siriは男声・女声が選択でき、Alexaも最初は女声のみでしたが、アメリカでは今年の7月に男声が追加されています。

またAlexaには、声優さんの声で時報を伝えるなどのスキル(機能拡張アプリ)があり、アメリカではピカチュウの声などにできるスキルもあるそうで、考えることは万国共通ですね。
ロボットが自分の好きな声や好きな人の声で喋ると、嬉しくなってたくさん喋っちゃいそう。そのロボットの向こう側に、その人はいないのに。不思議なものです。

スマホ音声技術

ここで、ロボットというインターフェイスを介したコミュニケーションを2パターンに分けて、対応の違いを考えてみましょう。

・ひとつは、ロボットの向こうで喋っているのがAIの場合。
・ひとつは、ロボットの向こうで喋っているのが人間の場合。

私自身は、相手がAIと分かっていたら、人間とコミュニケーションを取る時よりも態度や話し方が多少雑になってしまう気がします。それは、相手が気にしないし傷つかないと分かっているから。人間同士だと、不快な思いをさせたくないから相手を気遣い、丁寧な対応を心がけます。
また、相手がAIと分かっていたら、ちゃんと答えてくれなくても怒りません。
現に私のSiriは、仕事ができそうな男性ボイスの割に結構ポンコツなのですが、怒っても仕方ないので淡々と対応します。もしSiriの向こう側で喋っているのが人間だと思ったら、イライラして怒ってしまうんじゃないかな。
丁寧に対応するのは、相手を傷つけたくないから。怒ってしまうのは、相手に期待しているから。AIには痛みも意識もないと認識しているから、何となく雑な対応をしてしまうんだと思います。
でも、例えばそのロボットの声が好きな声だったり守ってあげたくなるような声だったりすると優しくできてしまうし、逆に、怖そうな声だとつい萎縮してしまう。

大阪大学の石黒先生の「ジェミノイド」は、その最たるものですよね。石黒先生とそっくりの外見・声のロボットと対面すると、裏で操作している人が石黒先生ではないと分かっていても、私は敬語でしゃべってしまうなぁ。恐るべし、石黒先生の存在感。

人間とAIの声の境界線がなくなる未来、そう遠くないのでは?

では、音声合成技術がもっと進化して、人間の声と聞き分けができなくなった時、どう対応するか?

先日、GoogleのAIが、Google MAPに掲載されているお店に住所確認の電話をかけたというニュースがありました。AIが電話をかけてくることが想定外の現在において、電話対応をした人は、「人間にしては話し方がおかしい。もしや詐欺?!」という反応が大半だったそうです。
今回のようにA Iか人間か分からないのも怖いけれど、人間と思って話していた相手がAIだったと分かるのもなかなか衝撃です。しかしそんな時代がすぐに訪れるのかもしれません。

ロボットを介したコミュニケーションを活用するサービスは、今後どんどん増えていくでしょう。そしてサービス内容に合わせて、コミュニケーションの相手がAIか人間かが分かれていくと思います。サービスの受け手側に立った時には、相手が人間かAIかを常に認識できる状況であればいいのですが、今後、そういったルールができたりするのでしょうか。

ということで、今回のまとめとしては、声は重要!ということと、コミュニケーションの際は相手が何であろうと常に優しく思いやりを持って、ということかな。
優しい未来に幸あれ。と、自分に言い聞かせて生きていこうと思います。

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