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vol.7~サービスロボットプラットフォームが描く未来~
フロントランナートーク2019.10.03
各分野の第一線で活動している方にお話を伺う「フロントランナートーク」
第7回目は当社団の正会員であり、国内の大手システムインテグレータ企業としてITの分野で第一線を走っておられるTIS株式会社の松井 暢之 氏(TIS株式会社 テクノロジー&イノベーション本部 戦略技術センター エキスパート)によるコラムです。
サービスロボットプラットフォームが描く未来
松井 暢之 氏
TIS株式会社 テクノロジー&イノベーション本部 戦略技術センター
世界に先駆け2007年に超高齢化社会へと突入した我が国は、その後も少子高齢化に歯止めがかからず、2018年時点での高齢化率は28.1%に達しています(1)。年を追うごとに生産年齢人口が減少していくなか、現役世代がリタイア世代を支えるという戦後日本の社会構造は、限界に達しつつあります。まさに今、社会生活への新たな変革が必要となっているのです。
このような社会課題の解決に、ロボットを上手く取り入れようと考えるのは、ロボット大国日本としては自然な発想です。特に日常生活の様々な側面からヒトを支援するロボットは、主に工場の中で使われる産業用ロボットとは区別して、「サービスロボット」と呼ばれています。例えばルンバ(2)のような家庭用掃除ロボットから、ペッパー(3)やパルロ(4)のようなコミュニケーションロボット、あるいはCarriRo Deli(5)のような自動運転技術を用いた配送ロボットまで、様々な日常のシーンで活躍する多くのサービスロボットが登場しており、それらを活用した実証実験も盛んに行われています。
しかし残念ながら、このようなサービスロボットが日常生活に溶け込んで活躍しているかと言えば、まだまだ道半ば、と言わざるを得ません。その原因は様々あると考えられますが、その一つとして、日常生活の「シゴト」は非定型的で結構複雑だ、ということが挙げられると思います。実際、シンプルなタスクを単機能のロボットが定期的・定型的に実行するだけで完遂するような日常の「シゴト」は、それほど多くはありません。実際は、周囲の状況に応じて複数のタスクを適切に組み合わせ、かつ周りのヒトや既存の仕組みとうまく連携しながら遂行しなければならない「シゴト」の方が多いでしょう。このような「シゴト」をサービスロボットに遂行させるには、異なった機能を持った複数機種のサービスロボットを有機的に連携させ、かつ周囲のヒトや既存のシステムともうまく相互作用できるようにしなければなりません。
このような、サービスロボットに「シゴト」を遂行させるためのサービスロボットプラットフォームとして、弊社はRoboticBase TMという製品を開発しており、そのコア部分をオープンソースとして公開しています(6)。我々は今後も、サービスロボットインテグレータとして、サービスロボットが日常生活に溶け込んで活躍する社会を目指し貢献していきたいと考えています。
(1) 内閣府 「令和元年版高齢社会白書」https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html(2) iRobot 「Roomba」 https://www.irobot-jp.com/roomba/
(3) Softbank 「pepper」 https://www.softbank.jp/robot/pepper/
(4) 富士ソフト 「palro」 https://palro.jp/
(5) ZMP 「CarriRo Deli」 https://www.zmp.co.jp/products/carriro-delivery
(6) TIS 「RoboticBase」 https://github.com/RoboticBase/core
おわりに
今回は「サービスロボットプラットフォームが描く未来」をテーマにTIS株式会社の松井氏にお話いただきました。いかがでしたでしょうか?
ロボットテクノロジーは、これからも我々の生活をより豊かにすることを助けてくれることは確かです。今回ご紹介してくださったTIS 「RoboticBase」はGitHubに公開されていますので、ぜひご興味のある方は下記のボタンからご覧になってください!
では、次回のフロントランナートークもお楽しみに!