iRooBOマガジン

vol.6~ロボットと共に生きる社会の実現に向けて~

フロントランナートーク2019.09.05

各分野の第一線で活動している方にお話を伺う「フロントランナートーク」

第6回目は当社団の顧問であり、ロボット関連の事業で第一線を走っておられる
大和 信夫 氏(ヴイストン株式会社 代表取締役)によるコラムです。

ロボットと共に生きる社会の実現に向けて

大和 信夫 氏
ヴイストン株式会社 代表取締役

いつの頃からか未来の世界を描くSF映画や漫画の世界には、人間と変わらないぐらい精巧な動きをするロボットが登場し、人間を助けるパートナーとして活躍するようになりました。
思い起こせば、幼い頃に夢中になったSF作品には、必ずロボットが登場していたのではないでしょうか。

では、現在の日常生活ではどうでしょうか。21世紀を迎えてずいぶん経ちますが、鉄腕アトムのような正義の味方のロボットも、ドラえもんのような便利な道具を用意してくれるロボットも開発されておらず、かつて夢見た「ロボットと共に生きる社会」の実現には、まだまだ時間がかかるように思われます。

しかし、よく考えてみると本当にそうでしょうか。現代社会においては、まるでロボットのような便利な道具がすでに生活の中で活用されているのではないでしょうか。

ロボット掃除機が自動で部屋を清掃してくれます。スマートスピーカーは、話しかけるといつでも親切に答えを返してくれます。街中では、接客をするコミュニケーションロボットを見かけることもありますし、安全に運転をアシストしてくれる機能を持った自動車も珍しくありません。スマートフォンは、いつでもどこでも、世界中の情報に手の平から接続することができます。
SNSを使えば、しばらく会っていない旧知の友人の近況をまるで本人が目の前にいるかのように知ることができます。

これらはまるで、かつて夢に見た未来の生活そのものであるか、あるいは想像にもしなかった技術革新であるかもしれません。すなわち、かつて夢見た鉄腕アトムはまだ実現できていませんが、「ロボットと共に生きる社会」は、私達がそうであると明確に自覚することなくとも、少しずつ着実に実現されつつあるといえます。

それと同時に、昔に憧れたパートナーロボットとはあまりに違うその実態に、少しばかり残念な心持ちになることも否定できません。もっと格好良くて、強くて優しい、できることならヒト型のロボットで実現していきたいと、ロボットメーカーである我々も強く願うところです。

ロボット技術は、これからますます社会に必要なものとなってくることは間違いありませんが、その重要性や技術レベルが向上すればするほど、ユーザーや開発エンジニアにも、正しい取り扱いが求められることとなるでしょう。これからの未来社会を健全に創造していくにあたって大切なことは、目の前で何が変化し、どういうことが起きているかを正しく理解するべく努めること、また、これから未来にどのような生き方をしているべきかを深く考えること、それから、科学技術が本当に人間の幸福を実現しているかを常に振り返ること、ではないかと考えています。

産声を上げつつある「ロボットと共に生きる社会」は、まだまだこれから大きく発展させていく必要があります。同時にそれは、未来社会を生きる全ての人間にとって幸福なものとするべく、私達ひとりひとりの手で作り上げていくことが肝要なのではないでしょうか。

おわりに

今回は「ロボットと共に生きる社会の実現に向けて」をテーマにヴイストン株式会社 大和社長にお話いただきました。いかがでしたでしょうか?
ロボットテクノロジーは、これからも我々の生活をより豊かにすることを助けてくれることは確かです。今後はさらに多くの新しいプロダククトやソリューションが生まれ「ロボットと共に生きる社会」の実現に向けて動いていくと予想されます。そんな時、本コラムで述べられているように「目の前で何が変化し、どういうことが起きているかを正しく理解するべく努めること、また、これから未来にどのような生き方をしているべきかを深く考えること、それから、科学技術が本当に人間の幸福を実現しているかを常に振り返ること」を大切にしていければと思います。

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では、次回のフロントランナートークもお楽しみに!

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