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【介護ロボット・ICTシステム導入事例】インフィック株式会社
事例紹介2021.01.28
介護事業運営20年のノウハウを活かし、見守りシステムを自社開発。 めざすのは、ケアの形を変えること。
同社は静岡を中心に、在宅介護サービスや訪問看護サービスを展開し、サービス付き高齢者向け住宅や小規模多機能ホーム等を運営しています。また、介護総合支援サイト「eかいごナビ」の運営や、福祉用具の販売など、幅広く手がけています。 加えて、グループ会社である株式会社インフィック・コミュニケーションズにて、20年に渡って蓄積された介護事業運営ノウハウを活かし、高齢者の自立支援と介護負担の軽減のためのセンサー等を活用した見守りサービス・製品の開発や、コンサルティングを行っています。 現在、高齢者見守りセンサー「LASHIC(ラシク)」を開発し、介護施設向け介護業務支援システム「LASHIC-care」と、離れている家族を見守る一般家庭用の「LASHIC-home」を開発・販売しています。
法人概要
- 法人名称:インフィック株式会社
- 所在地:
静岡オフィス:静岡県静岡市駿河区南町18-1サウスポット17F
静岡サテライトオフィス:静岡県静岡市葵区黒金町61-5 中西ビル2F
東京オフィス:東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル7F - 設 立:2002年12月19日(組織変更により設立)
- H P: http://www.infic.net
- 導入している介護ロボット・ICTシステム
-
- IoT見守りセンサー「LASHIC(ラシク)」
開発したきっかけ
介護事業運営ノウハウを活かし、自社で開発する
- 「LASHIC」を開発したのは、訪問介護に伺った家で利用者のおばあちゃんが倒れていたことが最初のきっかけです。遠隔でも状態を知る方法があればいいのに、という思いから、何かいいシステムはないかと探した結果、自分たちで開発することにしました。
- また、介護スタッフもどんどん減ってきているので、業務の効率化も課題となっています。
- 通常の見守りシステムは専用アプリで動きますが、「LASHIC」はクラウド上で情報を処理しているため、1つのアプリを機能拡張することで複数のセンサーから得られた情報を連動して操作することができます。それらは介護事業運営ノウハウの知見を活かしています。
- 自社にソフトウェアエンジニアがいるため、開発したものを自社の施設で試し、現場スタッフの意見も反映しながらすぐに改良できる体制を整えています。
導入にあたっての課題や解決方法、工夫点など
お互いに協力できるように様々な世代のスタッフを配置
- 「LASHIC」を最初に導入する際には、経営側がエリアごとの忘年会に出席するなどして説明して回りました。
- 介護スタッフは、「お年寄りに元気になってほしい」という想いで介護職に就いているので、「歩けなかった人がケアをすることで歩けるようになった」、「喋らなかった人が笑えるようになった」ということがインセンティブとなります。そのため、「これを使うと業務が楽になる」と言うのではなく、「これを使って間接業務にかかる時間を減らすと、ケアをする時間を増やすことができるので、本来の“お年寄りに元気になってほしい”という目的が達成できる」と説明をすることが大切です。
- 導入にあたっては、ベテランのヘルパーさんなどには操作が苦手な方もいるため、必ず若い人をチームに入れてスタッフ同士で協力するようにしています。様々な世代を各事業所にバランスよく配置し、スキルやノウハウをブラッシュアップしています。
- 介護業務においては、ベテランのヘルパーさんの経験に裏打ちされた勘に頼っていることも多々あります。ベテランのヘルパーさんは多面的に物事を見ることができますが、初任者はそうはいきません。しかし人手不足の今、初任者にもどんどん活躍してもらうために、その経験と勘をシステムで補完できればと思っています。その場合、ベテランのヘルパーさんには、「今の仕事がもっと楽になるツールだよ」という説明をします。
導入後の効果やスタッフの変化
スタッフだけでなく、入居者さんやご家族の安心・安全に効果
- ベッドセンサによって心拍や離床、寝返りのデータが取れるため、夜間の巡視回数を減らすことができ、その時間を間接業務に充てることができるため、夜勤明けの残業がゼロになりました。また、夜勤帯の人数も減らすことができました。
- スタッフは、夜勤帯の不安から解消されることによってストレスの軽減にも繋がり、残業がゼロになることによってモチベーションの向上も見られます。
- 部屋には人感センサーや照度センサーも設置しているため、入居者の活動量や生活リズムを把握することができます。過去のデータとも比較できるので、体調の変化などを見ることができます。そのため、例えば認知症の初期症状にいち早く気づくことができ、ご家族にデータを示しながら説明もできるので、安心・安全な生活が提供できます。
今後の展望
LASHICを普及させ、ケアの形を変える
- 介護スタッフの全ての業務を「10」とすると、現在、書類や事務処理などの間接業務が「6」、利用者さんをケアする直接業務が「4」という割合です。「LASHIC」は、その割合を逆転させるためのツールとして開発しました。「LASHIC」が普及し、ケアの形を変えることをめざしています。
「令和元年度 地域中核企業ローカルイノベーション支援事業(介護現場の業務効率化とサービス生産性向上のための介護ロボット・ICTシステム開発及び導入促進事業)」より作成
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